作品名
天気雨〜普及版〜- レビュー :
4.19
- 発売日 : 2019-07-26
- シリーズ : 天気雨
- 作者 : 吉沢メガネ 柚夏
- ジャンル : ネコミミ・獣系 恋愛
- メーカー : ぐみそふと
- 品番 : 1605apc12958
- JANコード : 4941463002902
- 価格 : ¥3520




晴れやかな夏休み―――。
FANZA
祖父が体調を崩したとの報告を受けた。
俺は若干のめんどくささを感じながらも、忙しい両親に代わり、一人息子である自分が、爺さんを手伝うため、祖父母の家に泊まりに来ていた。
幸いにも祖父の容態は大したことはなく、ひさしぶりに再会した祖母とゆっくりとした時間を過ごしていた。
そんな中、ここの自然はもう少しでなくなるのだと婆さんは言う。
この場所の後継ぎがいなくなると、都市開発のため取り壊されてしまうそうだ。
その時は「まぁ、それも時代の流れか」そう思っていた―――。
揺れる風鈴の音をたよりに縁側へと赴くとそこは、静かで緑が気持ちの良い場所だった。
夏にもかかわらず風は涼しく澄んでいて、耳を澄ませば葉が擦れる心地のいい音。
「風が……心地いいですよね」
気づけば隣にはやわらかな日差しに包まれた小さな女の子の姿。
そしてなびかせる綺麗な髪は、立派に山を作り、耳を作っていた―――。
俺は……目の前でほほ笑む少女とその自然の囁きに、いつのまにか魅了されていた。
無邪気で好奇心旺盛な白狐と世話焼きでおとなしい狐。
こうして俺たちの小さな恋物語は始まった。