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黒と金の開かない鍵。

作品名

黒と金の開かない鍵。
黒と金の開かない鍵。
黒と金の開かない鍵。 画像1
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期待とかすかな不安を胸に抱えながら入った学園。
ヒロイン奏は、入学早々失敗をしてしまい、以来それが原因で一年近く不登校に。
家からもでなくなり、いつの頃からか誰かに会うのも、外へ出るのも足がすくみ怖くなってしまった。
このままじゃいけない。毎日部屋の中でそう思うだけ。
毎日がただ何もなく過ぎていく。
それが、怖くなっていくヒロイン。
一日一日経つたびに、不安は大きくなり、より外へ出られなくなっていく。

そんなある夜、ヒロインは夢を見る。

「外にほんの少し踏み出してみましょう」
「前髪を思い切って短く、…今じゃない自分に」
「さあ、…――――外へ」

なんとも不思議な声は、そこで止んだ。
ぼんやりしながらも再び眠りにつく、ヒロイン。
外になんて出られるわけ……ないじゃない……
けれど、夢のことが忘れられないでいる、ヒロイン。

翌日。

重く、止まってしまいそうな足を微かに動かす。
締め切っていた雨戸をゆっくり開けた。
そして、微かに震える手でドアを。
夢に押されるように、――――ヒロインは外へ飛び出した。

嫉妬や、独占、束縛という名の鍵がヒロインに幾重にもかかり、身動きできず逃れられなくなっていく。
愛されすぎるヒロインの物語です。

話す度、目が合う度、他の彼と話す度、あなたは私の空間に鍵をかけ、閉じ込める。
それは、心地がいいのか、息苦しいのか――――。

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