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御伽話は闇の中

作品名

御伽話は闇の中
御伽話は闇の中

古くからある、人と人を結ぶ御神木信仰。
その御神木は女学校の校内にあり、その木の下では神事が行われ、人々は様々な想いをその木に託して逢瀬を重ね、また別れを繰り返してきた。
しかし、神木は大戦中の空襲によって無残に焼け落ち、戦争の悲惨さを伝える遺物として、祠が祀られ、そのまま奉られることになった。
その柘榴の木に一人の少女の思いを閉じ込めたまま……。

そして長い時が過ぎ、悪意にさらされ苦悩する一人の少女の悲嘆が彼女を呼び覚まし、悪意の連鎖を招く。

少女が出会った‘彼女’の名は月夜。
切れ長の赤い瞳と、艶やかな黒髪を持つ美しい‘彼女’は、優しく、囁きかけるように少女に問う。
「それで…あなたは何を望むの」と。

そしてそれが、世にもおぞましい、それでいて甘く切ない耽美な宴の幕開けだった。

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