作品名
ふるえ、ゆらゆらと 上弦の章- 発売日 : 2017-05-26
- シリーズ : ふるえ、ゆらゆらと
- 作者 : 藤浪まり
- ジャンル : 時代劇 女性向け デモ・体験版あり
- メーカー : A’sRing
- 品番 : 1894asr0006
- JANコード : 4543733010060
- メーカー品番 : ASR-0006
- 価格 : ¥4290
今は昔、安倍晴明という翁がおりました。
FANZA
その者、愛されるべき娘を守るため罪を重ねるのです―
人と触れた瞬間、肌に痛みを感じる不思議な体質を持つ孤独な少女がおりました。
彼女は夏休みを数日後に控えたある晩、平安時代へと時間移動してしまうのです。
帝がおわす都。
雅な世界と死の世界が折り重なる場所。
都を彷徨う少女を拾うは柔らかな金色の髪をした少年でした。
少年は言うのです。
―次の満月の夜、元の場所に還す、と。
少女は返します。
―わかりました、と。
他人事のような響きに少年は眉を顰めます。
しかし、少女にとって少年の言うことが真実であろうと、気休めであろうとどちらでも良かったのです。
元の時代に自分のことを案じる者は唯のひとりも存在しない、と思っているのですから。
少年は少女の虚無的な性格に気付き命じました。
―「生きる屍」から「生きる者」に変われ、と。
しかし、その変化こそが不幸の始まりでした。
少女の抱く想いが愛する者を歪め、男たちの胸を狂気で満たしていくことになるのです。
少女は大切な者を守るため、帰らなければなりません。
今生の別れとわかっていても。
―全ては、愛する者を守るために。